ほんとに!
以前
【悲報】個人向けカラマネ環境構築に最適だった、日立デスクライトFS2022E生産終了のお知らせ
こういう記事を書きましたが、いやもう待ったなしです。もう遅いかも?
安くまともで正確、導入の敷居の低い蛍光管光源
カラーマネジメントには、モニタ+キャリブレーター、そして正しい色で見られる(=印刷会社と同じ色で見られる)環境光が必要です。
その環境光、正しい光を可能な限り安く手に入れる方法として、今までは
- 色調評価用蛍光管(20形)
- デスクライト(20形を付けられるもの)
の組み合わせなら、少し前までは1万程度で入手可能でした。
これ以上となると、仕事部屋の天井に照明器具を設置するとか、カラービューアを手に入れるとか、とにかくハイコスト。「業務用」のコストがかかっていました。
印刷に関わるフリーランス風情には、印刷会社と全く同じ質の光源を割と気軽に導入できるこの組み合わせはまさに神、だったのです。ところが……
蛍光管はまだ………なんとか。
このうち、蛍光管の方。実はこっちが心配でした。
2020年に蛍光灯が無くなる!と騒がれてましたよね。無くなる訳ではないのですが、(詳しくはトップランナー制度:『省エネを実践したい方へ | 一般向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト』を参照)
無くなる訳ではない、とみんな言ってますが、確実にLED製品への移行が始まっていて、特殊な蛍光管である色調評価用でかつ20形なんてものはどんどん製造中止、在庫のみ、になっている訳ですよ。
印刷会社に居た方なら馴染みのある「アイベルライン」はもうとっくに。
Panasonicさんは、蛍光管自体はやると言ってます(蛍光管照明器具は終了)。
実際今手に入れられるのはパナの20形色調評価用蛍光管くらいですね。と言いつつAmazonには日立のもまだありますが。
※一部べらぼうな値段だったりするので注意。
ともかく、光るブツの方はなんとか、まだもうちょっとだけ、ほんの少しだけ余裕がある感じです。
とは言いつつもAmazonではもう辛くて、アカリセンター あたりも探さないとかなー……
問題は器具のほう
先の記事の日立のデスクライトが生産終了し市場にも無くなり、残るは山田照明のZ-208のみ、になっていたのですが……
実はZ-208も生産終了になっているのでした。
……もう、20形蛍光管を付けられるデスクライトはこれしかないのに。
これ無くなったら、20形蛍光管を取り付けるには、電気工事が必要になっちゃうんですよ。資格も。
Z-208、買っといた方がいいです。この先が心配過ぎる。
LEDあるじゃん?
あー、うん。そうなんだけどー。
印刷会社と同じ品質のものは、今のところデスクライトとしては存在しません。
LED管自体はあります。例えば……
- アイLEDベルライン『株式会社ライテスト』(アイベルラインの後継です。紫光励起タイプで、おっそろしく滑らかなスペクトルを持ちます)
- 超高演色LED『サンケン電気株式会社』(演色評価数がとてつもないLED照明。これほんとすごい。赤(R9)と青(R12)見てください)
- Tino4000RA98P『株式会社 エムティサービス東日本』(マルチ光源を制御して経年劣化を抑える、という特徴。R9〜12も高い)
- エコリカLED(高演色タイプ)『ECL-LD4(2)EGN-L3A | 直管形LEDランプ エコリカLED』(Ra97、R9もR12も結構いい。Amazonでも取り扱ってる。20形も普通にある)
等々。このあたりは印刷会社も導入していて、「同じ光で見ている」安心感を得られます。
ただ、これらを、超高演色LED直管を気軽に使えるデスクライトは存在しません。今のところ。
なんでデスクライトにこだわるの?
えと、まずですね。
印刷会社だけが、超高演色環境光を持っていてもしょうがないのです。
入稿側のデザイナーや写真家やレタッチが、印刷会社と同じ性質の光で色校正や色見本を見て、はじめて色の会話が成り立つのです。
(いろいろあるうちの、欠けてはならない条件の一つが環境光)
で、カラーマネジメントを普及させるためには、導入の敷居の低い製品が絶対に必要なんですよ。
だってね、私ら、「カラマネしましょうねー環境光大事ですよー」とセミナーで言ってるのに、
でもお高いんでしょう?はいお高いです、じゃ誰が導入するんですか。
もうひとつデスクライトでないといけない理由として、照度があります。
LEDは明るいんです。蛍光管より。
明るい光で、モニタの明るさに合わせて机の上の色校正を照らすには、距離をとらないといけません。それを楽に行えるのが、多関節のデスクライトなんですよね。
そういった製品を例えばAmazonなりで買えるようにしないと、LED化を人にお勧めできないんですよ……
敷居、高いでしょう? デザイン事務所でも天井の蛍光管を入れ替えるには工事が必要です。「とりあえずカラーマネジメントをはじめたい」向きにお勧めできる製品が今のところ市場に無いのです。
LEDあんじゃん!
あい。
Z-80 Pro ってのがありますが、印刷会社と同等品質ではありません。残念。
比べてみましょう。スペクトルと演色評価数で(ツールの都合でR1〜15のうち14まで※spotread+ColormunkiPhoto)。
まず色調評価用蛍光管
R9、R12高いですね。しっかり95以上あります(100点満点)。気になるのは緑のピークですが、これは後ほど。
次に超高演色LED管のエコリカ(ECL-LD2RGN-L3A)
R12は90切ってますが、照らしてみた感じはかなり蛍光管に近いです。あと入手しやすい(重要)
次にZ-80ProⅡ
R9の赤などまぁまぁいい感じなんですが、R12の青が72程度。ほんとやばい………これが結構色目に、致命的に効いてくるです。
印刷物で比較。紙は嵩高微塗工紙b7トラネクストで、一眼で撮影し、それぞれの照明での見た目で軽く補正してあります。Adobe RGBプロファイルを埋めていますので、どのブラウザでも色は狂わない…はず。
これまでの印刷会社と同等品としての蛍光管を基準とすると、Z-80Proはかなり違うことが分かります。肉眼で見ると、もっとかーなり違います。
もう一つサンプルを。
蛍光管は蛍光管で、先の緑のピークが効いてほんの少し、緑に寄るんですけどね。エコリカ、かなりいい線いってると思いませんか。実際導入している印刷会社もあります。身近に電気工事士や認定電気工事従事者の資格保持者がいて、いろんなことやってくれるならエコリカお勧め。
「カラーマネジメント」を軸に、みんなが動いて欲しいと思う
Z-80Pro、とてもイイ光出しますよ。ちらつかないし影はきれいだし、かっこいいし(キーンって鳴るけど)。
でも、印刷に関わるのであれば、
印刷会社が導入する超高演色LEDと同じ質の光
でないと意味がないんです。同じ色で見えていないと。
かつ、Z-80proと同じくらい入手しやすい製品が出ないと、「みんなで同じ色を見る」ことが前提のカラーマネジメントなんてできやしないんです。
これまでは、印刷会社が使っている色調評価用蛍光管を簡単に手に入れて使うことができましたが、2017年末時点ではこれが非常に難しくなってきています。
LEDの方が蛍光管よりスジのいいものができるハズで、とても心待ちにしていて、関係者に会うとこんな製品ほしーなー、なんてお話してますが、
来年、出るといいなぁ。入手しやすくて、誰にでも安心してお勧めできる、導入の敷居の低い製品が。
でないと印刷業界、お先真っ暗だと本気で思いますよ。印刷会社で色校正出してから大幅に修正する流れに戻すんですか?
日立さんLED対応で復活させませんかデスクライト。ほんとに。
「今」、入手するなら
ギリギリ、蛍光管です。今なら、まだ20形付けられる蛍光灯デスクライトz-208が入手できます。生産終了してるけど市場にあるので。まだ。今は。
またパナソニックの蛍光管もありますし!
入手しやすいLEDデスクライトを待つより、導入の敷居が超低くて1万ちょいで「印刷会社と同じ光」を手に入れられる、Z-208+色調評価用蛍光管を今すぐ手に入れ、カラーマネジメントを今すぐ、はじめてみませんか。思い立ったら吉日ですよ!
ほらこんな子供にも言われてるし。
エコリカLEDはアマゾンで取り扱いがあります。
ただし、取り付ける器具はLED管専用でないといけませんので注意。片側AC給電です。