金赤≠MY100%
金赤(きんあか)=MY100%の色、と書いている所も多いのですが、特色の金赤はもっと朱色っぽい、Yの強い赤です。
みんなの味方DICデジタルカラーガイド | DICグラフィックス株式会社でこの特色を見てみると、
こうなっています(広色域がMY100に近いのは、マゼンタインキが通常プロセスインキのそれとはかなり異なっているからです)
Photoshopでカラーライブラリから呼び出すともっと薄くてくすんでますね。
JISの慣用色名にもありますが、やはりY強めの赤になっています。
(Wikipediaより)日本工業規格『JIS Z 8102:2001 物体色の色名』付表1に示す慣用色名
CMYKの色指定で「金赤=MY100%」という文化もありますが、
同じ「金赤」という言葉でも印刷工程により捉えかたが全く違うことがある…さらには人によって想像する色が違うことがある、
ということを覚えておいてください。
特に人に教える方、新人教育しなきゃいけなくなった先輩方。デザイン事務所でも印刷会社でも、
「金赤」の色はMY100%とは限らない。金赤=MY100%と言っているのは自分たちの周りだけかもしれない。
ことはよーく教えてあげてください。ほんとにコレ困るんで。意思の疎通が難しくなるんで。
要は印刷工程によっては「文化の違い」から、別の色を指すこともある、ということです。
今まで大丈夫だった、って方には「よかったですね」と言うほかありません…
追記)印刷で言う金赤は本当に「金」と「赤」です。1955年あたりまで、印刷インキの組成は現在主流の樹脂を使った光沢のあるインキとは違うものがメインでした。当時の金赤インキは、乾燥すると表面に結晶質が浮かび上がる「ブロンズ現象」が起き、光を反射すると本当に金色に輝いて見えます。
「赤」で、「金」。で、金赤。しっかりと盛られた印刷なら、赤に金色が反射して凄まじくキレイです。
余談ですが、CMYKのKも実は職人用語としてBkまたはKuroが定着した、という文化を持つ地域もきっとあるんじゃないかと思います。一概にKey Plateが正しい!とはちょっと言いづらい。印刷用語には狭い地域内で発達したものが多く、流れの職人がいたとは言え、それほど流動的でもありません。西と東でも違うし。ですので、「正しさ」には少し疑いを持っているくらいがちょうどよいかと思います。
金赤=特色インキ
MY100%だよ、と言われていると忘れがちなんですが、金赤は特色インキです。
そして金赤インキは何種類もあります。
▼DIC(NCP Fグロス | DICグラフィックス株式会社)
▼TOYO(Non-VOC製品|オフセットインキ|東洋インキ)
▼T&K TOKA(Technical Information – ベストワン GIGA|株式会社T&K TOKA)
つまり…
発注側と印刷会社側で「金赤」の色は違っていることが多い
ということです。繰返しますがMY100%=金赤インキの色ではありません。
カラーチップを添付しての発注なら問題ありませんが、
「キンアカで(MY100%の赤を期待)」「承りました金赤ですね(その会社の使っているインキ)」
ということも起こりうる、というか、起きます。しょっちゅうです。残念ながら。
(主に印刷会社が確認しないのが問題だと思う、元印刷屋ですの)
さらにお客様によって、あるべき金赤の色味が違うため、「この仕事は赤多めに調色した金赤」「この仕事はがっつり盛り上がるくらいインキを乗せるので、黄色多め」なんてカスタムも…
逆に、MY100%の赤になるように刷ったらFG28金赤の色で、ということにもなるでしょう。
(てか、発注書や工程指示書に「キンアカ」と書くのはマジで止めた方がいいよ、と遠くを見て言っておく)
まとめ
- 金赤の色はMY100%じゃないよ
- 金赤は特色インキなので、特色インキの扱いをしてあげよう(チップ添付)
金赤はMY100%じゃないよ!
大事なことなので二回言いました。
(主に印刷会社が確認しないのが問題だと思う、元印刷屋ですの)
→印刷会社勤務ですが確認しない印刷会社も印刷会社ですが、その言葉で通じると思う発注者側もですよね。
何処が非があるかで言えば、確認しない印刷会社ですけども。
最近では簡易校正を見て、こちらが指摘してるのにデザイナーに伝わらず、差し替えデータを渡され差し替えた結果、クレームになるケースもあります。
本紙での沈みや乗り具合、ゴーストなどが理解できないデザイナーが増えた気がします。
わかりますが、見積もりを取る段階でプロセスで印刷と話していて金赤と言って特色で刷っちゃったら駄目でしょ。金額変わっちゃうし。。その前後のコミュニケーションありきの話を通り一遍等にそういう話をするたぐいのこの記事はなんですか?
デザイナー悪しの話ばかり言われますが現場の人間のずさんさや写真色調整もトーンカーブS字一択だったり定時に帰りたい印刷会社の人間のほうが劇的に増えてます。アホデザイナーも同じにですけども。
それに日本以外でも仕事することも増えてくるとPantoneの話もセットにするとかそのへんも含めてならわかります。書いてる方も結局金赤が通る界隈でのお話に限ってるじゃない。。。
もうちょっと整理して欲しいなー
>通り一遍等にそういう話をするたぐいのこの記事はなんですか?
「違うことを指している文化があるよ」って記事ですよ。
>デザイナー悪しの話ばかり言われますが
えっと、どのあたりです?そういうこと書いた気はありませんけど。
>Pantoneの話もセットにするとか
???なぜ? 国内の「キンアカ」という言葉の話をしてるのになぜPantoneが出てくるんですか?
えっと、記事は1イシューじゃいかんの?
なぜ怒ってるのか全く分からないんだけどね…次はスパム扱いにしますわこういうの。
印刷会社(営業)にしてくれませんかね?w
現場「クライアントに金赤の確認は取ったのか?特色でいいんだな?5色刷りだな?」
営業「大丈夫だから指示書通りに大急ぎでやってください」
20万枚ほど先出しした後
営業「ストーップ!なんか先方さん5色じゃなく4色だって言ってるんですけど!」
現場「・・・色分解からやり直しだから納期絶対に間に合わないぞ」
営業「納期は厳守!大体、なんで確認取らないで勝手にやってるんですか!」
現場「聞いたよね?何度も聞いたよね?」
※フィクションです