いつからか…Mac版Xdではプロファイルを読むようになっています(Win版では確かめていません)。RGBを入れ替えたプロファイルを埋め込んだ画像をXdに貼ると上のように。プロファイルを読まないアプリでは右のようにおかしな色になりますが、Xdは一応プロファイルを読んでいるようです。ただし、色はおかしなまま。下は左の画像をSafariで表示したもの。こちらのカラーが正しい。変な実装ですね。(2020/11追記)
「XDから書き出すと色がくすむ」んじゃなくて、Xdだけが変で、書き出すと「正しい色になる」のです。
Xdで色が変わる問題……
Adobe Xdさん。
PhotoshopやIllustratorで作ったものを貼ったりコピペしたりすると、色がガラッと変わって見えます。また、Xd上で選択した色はブラウザで見るとだいぶ褪せて見えます。
Xd上でこう見えているとして、
書き出したらこうなります。また「本来の色」もこっちです。
比較(広色域モニタ使用の方向けにキャプチャにはモニタプロファイルが埋まってます)。
それ以外の方向けに色味の差をシミュレーションしてみたもの。
Xdはカラーマネジメントをしていない
Adobe Xdは、カラーマネジメント非対応アプリケーションです(2019年8月1日現在)。
カラーマネジメント!というと難しそうに思うかもしれませんが、実はWEBブラウザの多くは普通にちゃんとカラーマネジメントして表示してくれています。
参考:『続続・Webブラウザのカラーマネジメント対応まとめ : やんま まのblog(仮)』
カラープロファイルが埋まっていればそれを使い、埋まっていなければsRGBと見なして表示します。CSSで指定したカラーもsRGBとして表示します(CSSの色空間はsRGBにしようね的なお約束)。
カラマネしてないXd上の表示と、カラマネしているWEBブラウザ等の表示が変わるのは当たり前…なんですね。
カラーマネジメントに必要なのは①
MacはカラーマネジメントがOSレベルで……とか、Winはその逆で……とか、検索するといろいろと出てきたりしますが、MacもWinも「OSレベル」のカラーマネジメントの仕組みは普通に持っています。
カラマネに必要なのは、OSがどうこうではなくて、アプリケーション側が対応する気があるかどうかです。
アプリの対応には差があります。OSが用意している仕組みを使うのか、独自のものを使うのか、それともなんにもしないのか。
独自のものを使う代表がPhotoshopなどのAdobe CMMを使うアプリケーションで、Mac/Win関係なく同じ。これはいいんですが、他には結構変な実装しちゃってるものもあります。
Preview.appなどはOSの用意した仕組みを使います。Winも同様。
なぁんにもしないのがXdだったり、デスクトップ版Kindleだったり、これもMac/Win関係なく結構たくさんあります。非対応アプリは、データの値をなんにもせずにOSに渡します。OSは、アプリがカラマネしてるかしてないかを気にしてません。
カラーマネジメントに必要なのは②
①がカラマネのソフトウェア面とすれば、もうひとつはハードウェア面、つまりモニタです。ハードウェア面とソフトウェア面を連携させるために必要なのが、モニタプロファイルです。
プロファイルは、ざっくり二つに分けられます。
- モニタなどの個体の状態を正確に表したプロファイル(デバイスプロファイル)
- みんなの共通のターゲットとなるべく策定されたプロファイル
1は、OSの環境設定に当てるやつ。今のモニタの状態を計測して、「こんな歪みがあるよーここが欠けてたり伸びたりしてるよーこんな色で表示されるよー」という情報をOSやカラマネ対応アプリケーションに伝えるものです。これが本当の表示とずれていると、当然色は違うものが出てきます。
2は、sRGBとかAdobe RGBとか、Japan Color 2001 CoatedやGRACoLといったターゲットとして使われるものです。モニタの状態を表しているものではないので、こっちをモニタプロファイルに指定してはいけません。
カラーマネジメント対応アプリと、正しく計測されたモニタプロファイル(=モニタそのもの)が揃ってはじめて正しい色表示が可能になります。どちらかが欠けてもダメです。
どうにもならない?
なりません。特に最近の色域の広いモニタ一体型のMacでは本当にどうにもなりません。
こういったカラーマネジメント非対応のアプリを使う際には、モニタそのものをターゲットプロファイルに近づけてやる、といったちょっと変わった運用をしなければなりません。
WEBの色空間はsRGBというお約束にWEBブラウザやその他のサービスは合わせようとしてきていますから、素のモニタ表示をsRGBに近づけてやる必要があります。
勘違いしやすいのですが、システム環境設定でモニタにsRGBプロファイルを当てるとさらに悪化します。最近のiMacなどのP3の色域を持つモニタを使っているのに「これはsRGBモニタだよ」とシステムを騙しても意味がないのです。やってみればすぐに分かります。モニタ自体をsRGBの色域に近づけないといけません。
ただ、モニタ一体型のiMacやMBPなどには、モニタ自体の色域を調整するOSDがないため、どうにもならないんですね。
sRGBモードがある外部モニタを付けてそっちで色を見れば多少マシにはなります。カラマネ非対応なのでどうやっても色は合いませんが、よりマシにはなります。
どうにかならない?
「こういう機能実装して!」「このバグ潰して!」と訴えるAdobeのサイトがあります。投票数に応じて実装順位が決まる……はず。
『Color Management (set color profiles) – Adobe XD Feedback : Feature Requests & Bugs』
こちらでVoteすれば……!今、400ほどVoteされています。が、Xdへの他のリクエスト、トップ項目が7,000以上あったりして、どうにも未知数な感じです……
Xdで他のアプリとの色の差に困っていたらぜひ投票しましょう!